成約件数が大幅に増加も、価格上昇のエリアは限定的
東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は8月12日、2025年7月度首都圏(一都三県)不動産市場の動向を発表しました。中古マンション、中古戸建てともに成約件数は大幅に増加し、成約価格も上昇しています。しかし、価格が上昇しているのは、東京都区部や横浜・川崎市など都市部が中心です。
首都圏中古マンション
| 項目 | 2025年7月成約物件の平均 | 対前年同月 |
|---|---|---|
| 平米単価 | 85.47万円/㎡ | +8.2% |
| 件数 | 3,979件 | +24.6% |
| 価格 | 5,303万円 | +5.0% |
| 専有面積 | 62.05㎡ | -3.0% |
| 築年数 | 26.67年 | +2.13年 |
| 在庫件数 | 44,689件 | +0.4% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2025年7月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比+8.2%の「85.47万円/㎡」でした。平米単価の上昇は63ヶ月連続、成約件数も同+24.6%で9ヶ月連続の増加です。在庫件数はほぼ横ばいですが、15ヶ月ぶりに同プラスに転じました。
| エリア | 2025年7月成約㎡単価前年同月比 | 2025年7月成約件数前年同月比 |
|---|---|---|
| 東京都区部 | +11.6% | +27.9% |
| 東京都多摩 | -5.2% | +6.2% |
| 横浜・川崎市 | +8.0% | +30.4% |
| 上記除く 神奈川県 |
-9.5% | +37.2% |
| 埼玉県 | -1.5% | +22.8% |
| 千葉県 | +1.7% | +15.3% |
(参考:東日本不動産流通機構)
成約件数はすべてのエリアで増加しましたが、成約㎡単価が上昇したのは東京都区部、横浜・川崎市、千葉県のみです。東京都多摩は3ヶ月ぶりの下落、横浜・川崎市を除く神奈川県は8ヶ月連続、埼玉県は2ヶ月ぶりの下落です。
首都圏中古戸建
| 項目 | 2025年7月成約物件の平均 | 対前年同月 |
|---|---|---|
| 価格 | 3,911万円 | +0.3% |
| 件数 | 1,771件 | +42.1% |
| 土地面積 | 151.10㎡ | +7.7% |
| 建物面積 | 104.40㎡ | +0.7% |
| 築年数 | 24.91年 | +2.3年 |
| 在庫件数 | 23,469件 | +7.7% |
(参考:東日本不動産流通機構)
2025年7月に成約した首都圏中古戸建の平均価格は、前年同月比+0.3%の「3,911万円」でした。成約価格の上昇は2ヶ月連続、成約件数は同+42.1%大幅増で、増加は9ヶ月連続です。在庫件数は35ヶ月連続で増加していますが、増加率の縮小が続いています。
| エリア | 2025年7月成約㎡単価前年同月比 | 2025年7月成約件数前年同月比 |
|---|---|---|
| 東京都区部 | +9.9% | +42.9% |
| 東京都多摩 | -1.3% | +13.5% |
| 横浜・川崎市 | +5.5% | +36.1% |
| 上記除く 神奈川県 |
-6.1% | +49.7% |
| 埼玉県 | -7.6% | +60.4% |
| 千葉県 | -6.5% | +42.8% |
(参考:東日本不動産流通機構)
中古戸建ても、全域で成約件数が増加しています。成約価格が上昇したのは東京都区部と横浜・川崎市のみです。東京都多摩、埼玉県は2ヶ月ぶりの下落、横浜・川崎市を除く神奈川県と千葉県は5ヶ月連続で下落しています。
“注目”の不動産ニュース
自治体による「マンション規制」
東京都千代田区は7月18日、不動産協会に対し、区内における投機目的のマンション取引を防止する要請を出しました。一方、兵庫県神戸市では、7月末に開かれた有識者会議で「タワマン空室税」の導入が検討されるなど、近年は自治体によるマンション規制の検討・導入が目立ちます。
千代田区「マンション転売規制」
千代田区が不動産協会に要請しているのは、新築マンションの転売を規制するものです。具体的には、引き渡しを受けた後、原則5年間は転売できないように特約を付すことを要請しています。その他、再開発などの事業で販売する新築マンションについて、同一名義人による複数戸の購入を禁止することも要請しています。
こうした要請の背景には、マンション価格の高騰があります。とくに、都心部の新築マンション価格は一般的な収入の世帯には手が届かない水準に達しており、購入者は主に富裕層や国内外の投資家などに限定されています。こうした状況がさらにマンション価格を押し上げていることから、区は価格の著しい高騰を抑制し、居住目的の人がマンションを購入しにくい状況を解消したいという考えです。
神戸市「タワマン空室税」
神戸市で検討が進んでいるのは、タワーマンションの空き部屋の所有者に税金を課すという規制です。投機目的でタワーマンションが購入されるケースが増えていることで、マンションの管理に支障をきたすおそれがあることから、同規制導入の検討が進められています。
同市は、2020年7月から市内中心部のタワーマンションの建設を規制するなど、独自のマンション規制を導入しています。空室税の導入の他にも、マンションの適正管理に向け、管理組合に対し、修繕状況などの届け出を義務化する方針を固めています。