不動産市況レポート2025年8月度の不動産市況

成約件数の大幅増が続くも、価格上昇は東京都区部が中心

 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)は9月10日、2025年8月度首都圏(一都三県)不動産市場の動向を発表しました。引き続き、中古マンション、中古戸建てともに成約件数は大幅に増加しており、増加幅は今年最大となりました。一方、成約価格については、大幅に下落したエリアも見られます。

首都圏中古マンション

項目 2025年8月成約物件の平均 対前年同月
平米単価 84.85万円/㎡ +13.5%
件数 3,553件 +54.5%
価格 5,279万円 +13.5%
専有面積 62.21㎡ ±0.0%
築年数 26.28年 +0.44年
在庫件数 44,578件 -1.4%

(参考:東日本不動産流通機構

 2025年8月に成約した首都圏中古マンションの平均平米単価は、前年同月比+13.5%の「84.85万円/㎡」でした。成約件数も、同+54.5%と大幅増。昨年末ごろから著しく成約件数が増えていますが、8月は今年最高の増加幅です。在庫件数も2ヶ月ぶりに減少に転じました。

エリア 2025年8月成約㎡単価前年同月比 2025年8月成約件数前年同月比
東京都区部 +18.9% +59.3%
東京都多摩 +4.4% +47.1%
横浜・川崎市 +1.4% +50.4%
上記除く
神奈川県
+2.1% +66.7%
埼玉県 +2.2% +58.3%
千葉県 +2.3% +39.8%

(参考:東日本不動産流通機構

 成約㎡単価、成約件数ともに、すべてのエリアで上昇しました。成約件数の増加幅は今年最大となっています。東京都区部の成約㎡単価は64ヶ月連続で上昇しており、上昇幅も大きい一方、その他のエリアはわずかな上昇にとどまり、ここ数ヶ月は上下を繰り返している状況です。

首都圏中古戸建

項目 2025年8月成約物件の平均 対前年同月
価格 3,894万円 +2.9%
件数 1,611件 +69.4%
土地面積 146.40㎡ -1.6%
建物面積 103.55㎡ -0.3%
築年数 24.79年 +1.47年
在庫件数 23,567件 +6.3%

(参考:東日本不動産流通機構

 2025年8月に成約した首都圏中古戸建の平均価格は、前年同月比+2.9%の「3,894万円」でした。成約件数は同+69.4%の大幅増で、増加は10ヶ月連続です。中古マンション同様、増加幅は今年最大となりました。在庫件数は増加しているものの、増加率はこの2年で最も低くなっています。

エリア 2025年8月成約㎡単価前年同月比 2025年8月成約件数前年同月比
東京都区部 +9.2% +69.6%
東京都多摩 +3.2% +67.2%
横浜・川崎市 -1.8% +101.7%
上記除く
神奈川県
-20.7% +78.9%
埼玉県 +7.7% +80.5%
千葉県 +1.2% +39.7%

(参考:東日本不動産流通機構

 成約件数は全域で大幅に増加したものの、成約価格の上昇に結びついていないエリアも見られます。とくに横浜・川崎市を除く神奈川県の成約価格は、前年同月比-20.7%と大幅に下落しました。一方、東京都区部は同+9.2%と大幅に上昇しており、ほぼ一貫して上昇基調を維持しています。

“注目”の不動産ニュース

不動産情報ライブラリに「DIDデータ」を新規追加

 国土交通省は8月27日、不動産情報ライブラリに「人口集中地区(DID)」データを新たに掲載しました。不動産情報ライブラリとは、国土交通省が2024年4月に提供を開始したWebサイトで、不動産の価格情報などが確認できます。また、API配信により、民間事業者などとのシステム連携を可能としています。

人口集中地区(DID)とは

 新たに追加された「人口集中地区(DID)」とは、統計データに基づき、一定の基準により人口密度の高い地域を指すもので、都市的地域の人口の実態を明らかにするための指標となります。

 8月から掲載されている情報は、2020年の国勢調査の結果をもとに整備された国土数値情報のデータです。国勢調査は、5年ごとに実施されています。

その他のデータと重ね合わせて利用可能

「人口集中地区」と「地価公示」の重ね合わせイメージ

(出典:国土交通省「人口集中地区(DID)データ掲載について」)

 不動産情報ライブラリには、取引情報や地価公示、防災情報など、不動産に関するさまざまな情報が掲載されています。これらの情報は地図上で重ねて閲覧することができ、今回、新規に追加されたDIDも、その他のデータと重ね合わせて利用可能です。

 たとえば、「人口集中地区と地価公示」や「人口集中地区と立地適正化計画」を地図上で重ね合わせて閲覧することで、物件選びや売買のタイミングの判断、投資戦略の検討時などに役立てられるでしょう。DIDはAPIでの提供も開始しており、円滑な不動産取引の促進や新たなサービス創出にも活用される見通しです。

日々の暮らしを豊かにする
不動産メディア