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Ⅱ. マイホーム売却時の税金

消費税記載のない場合、共有財産の譲渡、増改築がある場合などの譲渡所得の計算事例

更新日:2025年9月29日

計算例16 取得費の計算・新築で消費税あり

平成2(1990)年1月に6,060万円(うち消費税(3%)60万円)で取得した自己居住用の新築マンション(鉄筋コンクリート造、床面積70㎡)を令和7(2025)年5月に売却しました。この場合における取得費はいくらでしょうか。平成2(1990)年築の鉄筋コンクリート造の標準的な建築単価は1㎡当たり222.9千円です。

①経過期間 平成2(1990)年1月7(2025)年5月35年4月35年(6月未満切捨)

②建物取得価額 60万円÷0.03+60万円=2,060万円

③減価償却費 2,060万円×0.9×0.015×35年=973万円

④取得費 6,060万円973万円=5,087万円

計算例17 取得費の計算・中古で消費税記載なし

平成5(1993)年2月に6,000万円で取得した自己居住用の中古のマンション(昭和63(1988)年1月築の鉄筋コンクリート造、床面積70㎡)を令和7(2025)年5月に売却しました。この場合における取得費はいくらでしょうか。昭和63(1988)年築の鉄筋コンクリート造の標準的な建築単価は1㎡当たり175.0千円です。

①経過期間 平成5(1993)年2月令和7(2025)年5月32年3月32年(6月未満切捨)

②建物取得価額

  1. 標準的な建築価額 昭和63(1988)年鉄筋コンクリート造175.0千円×70㎡=1,225万円
  2. 減価償却費 1,225万円×0.9×0.015×5年=82万円
  3. 経過年数 昭和63(1988)年1月平成5(1993)年2月5年1月5年(6月未満切捨)
  4. 中古の建物取得価額 1,225万円82万円=1,143万円

③減価償却費 1,143万円×0.9×0.015×32年=493万円

④取得費 6,000万円493万円= 5,507万円

計算例18 共有資産の譲渡

本年5月に兄弟が共有する空地を5,000万円で売却しました。空地は40年前に兄が5分の3、弟が5分の2で取得しましたが、当時の売買契約書などは保存がなく取得費は不明です。売却に際し譲渡費用が150万円発生しています。この場合の譲渡に係る税金(所得税住民税の合計額)を教えてください。

持分 3/5 2/5 5/5
総収入金額 3,000万円 2,000万円 5,000万円
取得費 150万円 100万円 250万円
譲渡費用 90万円 60万円 150万円
④② 240万円 160万円 400万円
⑤① 差引 2,760万円 1,840万円 4,600万円
税率 20.315% 20.315%
⑦⑤× 税額 560万円 373万円

取得費は不明のため総収入金額の5%とし、総収入金額と譲渡費用は持分で按分して計算しています。

計算例19 増改築費用がある場合の取得費

令和7(2025)年10月に別荘(木造)及びその敷地を6,000万円で売却しました。この譲渡に係る譲渡費用は180万円です。この別荘は平成7(1995)年11月に5,000万円(建物4,000万円、土地1,000万円)で購入したものです。平成27(2015)年11月に1,000万円でフルリフォームを行っています。この場合における譲渡所得の金額はいくらでしょうか。

譲渡収入
6,000万円
取得費
(2,373万円
譲渡費用
180万円)
=3,447万円

  1. 建物の本体部分の取得費

    4,000万円×0.9×0.031×30年=3,348万円

    平成7(1995)年11月令和7(2025)年10月30年(6月未満切捨)

    4,000万円3,348万円=652万円

  2. リフォーム部分の取得費

    1,000万円×0.9×0.031×10年=279万円

    平成27(2015)年11月令和7(2025)年10月10年(6月未満切捨)

    1,000万円279万円=721万円

  3. 土地の取得費 1,000万円
  4. =2,373万円

計算例20 税金の計算・長期

平成28(2016)年5月に6,000万円で取得した自己利用の駐車場を令和7(2025)年2月に7,000万円で売却しました。購入の際の登記費用は30万円でした。また、譲渡に際し仲介手数料180万円、測量費50万円、抵当権抹消費用20万円が発生しました。この場合における譲渡所得に対する税金はいくらでしょうか。

  1. 所有期間 平成28(2016)年5月令和7(2025)年2月5年超(お正月を6回以上越えての譲渡は長期)
  2. 譲渡所得

    譲渡収入
    7,000万円

    取得費
    (6,000万円

    登記費用
    30万円

    仲介手数料
    180万円

    測量費
    50万円)

    =


    740万円

  3. 税金 740万円×20.315%=150万円

土地の取得費は減価償却費を行わず、抵当権抹消費用は譲渡費用に該当しません。

監修

𡈽屋 栄悦(つちや えいえつ) 税理士

土屋栄悦税理士事務所HP

https://www.tkcnf.com/tsuchiya/index
出身地

山形県

経歴

平成 8年11月 税理士登録
平成12年 9月 土屋税理士事務所開業

活動

第71回から第73回税理士試験試験委員/租税法務学会常任理事/
東京税理士会会員相談室相談委員/元東京税理士会常務理事/元日本税理士会連合会理事

著書

新 税理士実務 質疑応答集共著(ぎょうせい)
「租税実体法の解釈と適用・2」共著(中央経済社)
「税務における期間・期日・期限の実務」共著(新日本法規出版)
相続税・信託ガイドブック共著(大蔵財協)/税務と法務の接点共著(大蔵財協)など