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マーケットレポート2025, 3
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固定金利の動向と金融緩和
区分マンション投資では多くの方が不動産投資ローンを利用されますが、その大半は「変動型金利」を選択しているようです。現在多少上昇傾向にありますが、それでも超低金利の状況で、特に変動金利は金融機関も融資件数獲得のためか、低い金利を続けています。その一方で、固定金利を選択される方もいます。その理由としては、長期的に見れば金利が上がる可能性を考慮してということもあるかもしれませんが、不動産投資においては長期の収益シミュレーションを立てる際に返済額が固定(元利均等方式)されていることで、融資支払額増加のリスクを防ぎ、キャッシュフローを安定させたい、という思いの方が大きいのでしょう。
ご承知のとおり、固定金利は、借入時に交わした契約に基づき金利が固定されている金利形態です。返済開始から最終まで全期間固定のタイプや、住宅ローンなどでは一定の期間金利が固定される「当初固定金利」もあります。この場合の固定金利の期間は、3年、5年、10年、20年などから選ぶことができます。変動金利では起こりうる金利上昇リスクを回避することができますが、リスクヘッジの観点から、一般的に固定期間が長くなるほど適用される金利は高くなります。その一方で、金利低下時は結果として金利を多く払うことになります。また、固定金利は長期国債金利の影響を受ける「長期プライムレート」の影響を受けます。ここでは長期国債金利と固定金利の傾向を見るために、固定金利融資の例として賃貸住宅融資の動向を見てみましょう。
長期国債(10年)と賃貸住宅融資金利(固定金利:35年)の比較
下のグラフは、長期国債金利と賃貸住宅融資金利(固定:35年)の2012年以降の動向を示したものです。点線は、その差を示しています。
これを見ると、長期国債金利は2016年~2022年ごろまではほぼ0%程度で推移していましたが、2022年後半から上昇し、2025年2月中旬には1.3~1.4%程度で推移しています。
一方、賃貸住宅融資の金利は2022年と比べるとわずかに上昇しましたが、その上昇幅は小さいままです。そのため、差を示す点線は2023年以降に下落傾向となり、2016~2022年より低い水準になっています。
固定金利は長期国債金利の動きに連動すると前述しましたが、実際にはそうなっていません。つまり、固定金利に関しては、いわゆる「マイナス金利」と呼ばれた時期よりも、現在の方が「金融緩和状態にある」と言えるのかもしれません。
長期国債(10年)と賃貸住宅融資金利(固定金利:35年)の比較

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